第7章

私と浅田駿之介は並んでキャンパスの湖畔にあるベンチに腰掛け、沈黙が二人を包んでいた。

私は無意識に指を絡ませ、どう切り出すべきか心の中で葛藤していた。彼と一緒にいる理由を先に説明すべきか、それとも彼への想いを先に伝えるべきか。どちらの選択も綱渡りのようで、心臓が速くなる。

浅田駿之介の視線が、私の緊張した指先を掠める。彼の口元が微かに引き攣り、何かを言いかけては呑み込んだようだった。

私たちの間の空気は、まるでいっぱいに引き絞られた弓のように、いつ切れてもおかしくなかった。

なぜなら私は、はっきりと、彼になぜ付き合うことにしたのかを伝えていなかったからだ。

「ごめん」

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